灯台の保存と活用についてのスキーム

灯台の保存と活用についてのスキーム

最近、灯台の活用と保存の論議が盛んですが、今回は、犬吠埼灯台を念頭に置きながら私の個人的な見解を述べてみたいと思います。 第一に、当たり前のことですが、犬吠埼灯台は、現役の航路標識であるという認識を大前提としています。現在日本では、ほぼすべての灯台を国の機関である海上保安庁が管理しています。ですから保存にせよ、活用にせよ、まず灯台の所有者であり管理者である同庁との調整が必要になります。
 次に、地域の活性化をめざした灯台の活用といった場合、さしあたり、現役の灯台を「まちづくりや、観光に活用する」ということが考えられますが、一方、その過程で、犬吠埼灯台のように現に国の登録有形文化財に登録されている灯台も少なくないことから、文化財として高い価値を持つこれら灯台の「保存」という問題にも直面することになります。文化財を所管する文化庁と管理や改修について調整が必要になってきます。そして、そこに保存と活用とを調和させるという重要なポイントが見えてきます。
 ところが、最近私は現役の灯台の「活用」と「保存」との関係線上に、「分離」もありうるかもしれないと考えるようになりました。初点灯以来143年を経過する犬吠埼灯台ですが、これまでにも耐震性の強化や、老朽化対策として昭和末期の灯塔他の大規模改修、灯器を支える免震装置の新規設置等々、かなり大がかりな改修も実施され、今後水銀槽式レンズ回転装置のベアリング式への換装も予定されています。そうした中で可能な限りオリジナルな状態に保つためには、航路標識の機能を分離し、別にもう一基最新の技術で機能本位なものを建てるという途もあるのではないでしょうか。
 このような環境変化の中で、令和の時代を迎えた私たち犬吠埼ブラントン会は、この先の活動の目当てとして、現在別個に登録文化財となっている犬吠埼灯台と旧霧信号所霧笛舎の重要文化財指定を獲得することや、いつか、IALA国際航路標識協会が選定するヘリテイジ・ライトハウス・オブザイヤーにも挑戦してみたいと思っています。

 

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