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風見鶏の西、なぜOなの?

風見鶏の西、なぜOなの?

2月中旬、銚子ジオパーク市民の会が計画した台湾の野柳地質公園視察旅行に参加、約半年ぶりに白沙岬灯台を訪問してきました。灯台では地元桃園市観音区長さんや秘書室及び観光局の皆さんからお出迎えを受け、また灯台を管理している国の交通部航港局の職員さんが親切に案内をしてくれました。
 今回、灯台専科の私にとって最大の収獲は、昨年7月初回訪問時に果たせなかった灯塔の二重壁構造(犬吠埼灯台と共通)を撮影することができたことです。灯塔の内壁が床面に接する部分に開けられたスノコ状の小窓(フタ)の隙間越しに暗い内部をのぞき込むように何度もシャッターを押しましたが上手くいきません。結局、万事に器用な訪問団長のO氏がスマホで撮影した写真が一番よく撮れていました。画像を少しレタッチすると、なんと! くっきりレンガ積みの壁面が見えるではありませんか。ヤッター!
 ちなみに、私たちの犬吠埼灯台でも国内で既に先例がある「二重壁構造の見える化を早期に実現させよう」と機会ある毎に関係各方面に提言しているのですが、残念ながら未だ実現していません。

 もう一つは、白沙岬灯台の最上端に取り付けられている風見鶏の方位を示すアルファベットがN-SとE-Oであったことに関係しています。
 灯台長が英語でこの辺の経緯を説明してくれたのですが、正しく聴き取れずその場では理解できませんでした。どなたかが「西洋人が、東は辺境の何もないところという意味で Obscureとしたという説がある」とおっしゃっていたのが気にかかり、帰国後調べてみました。方位を表す言葉はお国によって以下のようになることがわかりました。

・日本語     東     西     南    北
・英 語     East    West     South       North
・フランス語   Est   Ouest    Sud       Nord
・ドイツ語    Osten    Westen Suden   Norden

 ついでに、イタリア語で西の方位は Ovest、スペイン語では Oeste になるそうですが、西がOで始まるのはさしあたりこれら3国です(他にもあるかもしれませんが)。中でも明治期以降日本の灯台整備に関係のあった国といえばフランスしかありません。

白沙岬灯台は、日本政府の灯台所管部門のトップ航路標識管理所々長の職歴を持つ石橋絢彦の監督下で大澤正業技手が工事を担当し建築したものとされています。あれこれ推測してみますと、搭載されたフレネル・レンズがフランス Barbier 社製のものであることから、風見鶏等の小物器財もフランス製を採用した可能性が高いと考えられます。よって、風見鶏の西を示す方位文字がフランス語のOとなったとするのが一番穏やかでよいのではないでしょうか。

 その他にも今回の旅行では、昨年11月に銚子犬吠埼で開催した灯台ワールドサミットin銚子で台湾の灯台について報告をしてくれた白惠君さんにお会いすることができました。彼女が現在夢中で取り組んでいるという論文「台湾の灯台発展と文化観光の実行性評価―日本犬吠埼灯台を例に」を書くために照会のあった資料のいくつかやサミット当日のCATV放送を録画したDVD等を渡すことができ、また、台北では交通部航港局の女性科長に面会、犬吠埼灯台の資料等を贈呈することができたことに満足しています。
 旅行を通じて、台湾の人たちが人と人とのつながりをとても大事にされることや相互に贈り物をする習慣にとても親しみを感じました。

※ 写真は、銚子ジオパーク推進協議会事務局長の小川正俊氏にご提供いただきました。