"月の階段"を昇り、海から灯台の光を見てみたい!

"月の階段"を昇り、海から灯台の光を見てみたい!

 8月26日(日)、犬吠埼灯台が夜間公開されました。地元観光業界が中心となって開催しているラスト・サマー・デイズの関連イベントで、数年前から実施しています。通常、犬吠埼灯台は8時30分から16時までが見学可能な時間帯ですが、この日は、特別に連続して19時30分まで公開されました。ちなみに、この日の参観者数は、(公社)燈光会犬吠埼支所によれば、16時までに約700人(小学生以下のお子様は含まず)、16時以降が約190人だったそうです。
 それもそのはず、天候は、「猛暑」を除けば、空も澄み切って風もなく、波もなし。おまけに惑星がいくつもグルッと横並びにはっきり見えるという好条件でした。
 私はといえば、昼過ぎからずっと犬吠埼ブラントン会のイベントをしていて、結構疲れてはいたのですが、何を思ったのか、急に灯台に上りたくなり、99段ある階段をヤットのコラサで登ると、すでに点灯した第1等4面単閃光フレネルレンズが水銀槽の上を回転していました。
 回廊に出て、灯室を見上げるとスコットランド風のひし形の窓枠越しに、36㎞先まで届く光芒が、15秒に1度のペースを乱さず、まばゆいばかりの光の束を斜め下方に放っていました。
 当日、灯台の回廊でボランティアで見学者にガイドをしていたB女史が、「今日は月の階段が見えますよ。」と教えてくれました。「なるほど、これかあ」、私も月の階段というものを写真では見たことがありましたが、実際に見たのは初めて。陸から水平線上の月のすぐ下まで延びている光の階段を、時々灯台の光がサッと照らしては去り、すぐまた次がやってきます。
 ああ、おもしろや、おもしろや。赤みを帯びた金色の月とキラキラ輝いている階段、やや青みがかかった光芒の帯が斜めに射し、はるか遠く常陸の空では、時々雷の光で雲がピクッと浮き上がります。いつまでたっても見飽きない光景、いつか月の階段を上って、向こう側から灯台の光を見てみたいと思いました。
 

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