映画「光をくれた人」の舞台-ニュージーランドのキャンベル岬灯台

映画「光をくれた人」の舞台-ニュージーランドのキャンベル岬灯台

2017年5月26日、デレク・シアンフランス監督の映画「光をくれた人」が封切りになった。 オーストラリアの孤島に流れ着いた赤ん坊をめぐって、育ての親になる灯台守のトム(マイケル・ファスペンダー)とその妻イザベル(アリシア・ヴァイキャンデル)、わが子の生存を信じ続ける実の母親ハナ(レイチェル・ワイズ)の三つ巴の葛藤の物語。原作の小説(M.L.ステッドマン著The Light Between Oceans、邦訳「海を照らす光」)は、41ヶ国で翻訳され、230万部超のベストセラーを達成したそうだ。

この映画の舞台になっているキャンベル岬灯台(Cape Campbell)は、オーストラリア人の監督が、原作のイメージに最も相応しいとしてロケ地に選んだとのこと。ただ、ここは孤島ではなく、ニュージーランド南島北東部マルボロー地方のブレナム市から東に約50kmの陸続きにある。1870年、この場所にニュージーランドを南北2つの大きな島に分けているクック海峡を船舶が安全に航行できるよう初めて木製の灯台が設置され、1890年には鋳鉄製の現灯台に建て替えられている。灯台が自動化した現在、遠隔地からでも監理可能なため、トム夫婦のような常駐の灯台守はいない。詳細は後に述べるが、実際に現地へ行ってみると、灯台が建っている小高い丘の麓には木造の家が建っていて、映画では主人公たちの住居に充てられた。この家は、夏の観光シーズン中、灯台敷地の所有者らが自ら案内するトレッキング・コースのゲストハウスとして使用されている。

【キャンベル岬灯台の諸元】
海面からの高さ 47m
地上からの高さ 22m
灯質      白色毎15秒に1閃
光達距離    19浬(35km)
初点灯     1870年
無人化     1986年

About the Author

Leave a Reply