ご挨拶
このたび、20年あまりの灯台遍歴をベースに、ウェブサイト“犬吠埼灯台百科”を新規に立ち上げ、これにより従来の“Hiro’s Lighthouse-犬吠埼灯台のすべて”は発展的に解消することになりました。
新しいウェブサイトでは、犬吠埼灯台の歴史や現況、資料館他2施設の展示物、絵葉書コレクション、灯台の建設や保守管理に関わったお雇い外国人関係の資料など、私が『犬吠埼灯台関係内外資料集』(2015)の刊行という中間目標に向かって少しずつ集めてきた文書や写真類を中心に、他では見られないものをできるだけ紹介するように努めました。
一方、ごく最近、江戸期にも犬吠埼近辺への焚火ないし常夜灯の設置を石巻・那珂湊・浦賀・江戸の船主や商人多数が連名して願い出ていたことが判明し、これまで幕末・明治初年から始まっていた犬吠埼灯台史の奥行きがますます深くなってきたように感じます。
灯台は個々に緯度や経度、光り方、光の強さなど固有の特徴が公表されており、誰でもこれを利用して自分の位置を知ることができます。少し思考を広げれば、灯台や船舶や人々は、この万国共通の位置確認のためのシステムを介してグローバルにつながっているといえるのではないでしょうか。同時に、灯台はそれが立地している地域や近海を行き来する人々のローカルな思いを体現しているようにも受け止められます。私は、そんな広くて深い顔を持つ犬吠埼灯台に強く惹かれるのです。
灯台を観るなら犬吠埼灯台がおすすめです。現在、全国に大小合わせ3211基の灯台がありますが、犬吠埼灯台はそれらの中でも自他共に認める代表格であり、灯台周辺には「お楽しみ」もたくさんあって何度来られても飽きることがありません。 “海終わり陸始まるところ”銚子犬吠埼に皆様もどうぞお出かけくださいますよう。心から歓迎申し上げます。
2017年 犬吠のひろし
犬吠埼灯台のあらまし
資料館
犬吠埼灯台は見どころがいっぱい。貴重なフランス製の初代レンズ、大迫力の回転する旧沖ノ島灯台レンズ、登録有形文化財の旧霧笛舎、霧鐘等々。ドローンによる空撮動画や霧笛の音も楽しめます。さらに漫画家 萩尾望都先生の直筆サイン入り『霧笛』複製原画も展示されています。