犬吠埼旧霧信号所霧笛舎 国の登録文化財原簿に登録
 2014年7月19日報道解禁により新聞・テレビは国の文化審議会(宮田亮平会長)が18日、下村文部科学大臣に対し犬吠埼霧信号所霧笛舎を登録有形文化財に登録するよう答申したと一斉報道しました。犬吠埼旧霧信号所の霧笛舎は鉄造りの霧笛舎としては現存する国内唯一の建造物であり、「日本の近代産業発展の一面を示す施設として価値が高い」と評価されました。
 これまで犬吠埼ブラントン会は、2007年の同霧信号所廃止のための周知説明会議開催時から保存に向けた
7つの提案や霧笛の録音=CD化、解体前の学術調査要望、廃止時の感謝とお別れのイベント・学術調査報告会等の開催、銚子市に対する保存陳情=受理/修理費の予算化等々の働きかけをしてきた経緯もあることから、内定の知らせを受けて喜びもひとしおのものがありました。
 本年は犬吠埼灯台140周年の年にあたり、11月15日には関係諸団体によって記念式典が粛々と執り行われましたが、残念ながら期待していた登録証とプレートは諸般の事情で式典日には間に合いませんでした。
 一方、当会は文化庁の助成を受けて140周年記念事業を種々開催してまいりましたが、11月22日には灯台にほど近いホテルを会場として漫画家萩尾望都先生の名作『霧笛』にちなんだ講演会を開催、今回の慶事にささやかながら花を添えることができたと思っています。 
                       
2007
 11月26日 代表幹事:「犬吠埼霧信号所の廃止に伴う打合せ会議」に出席、7つの提案をする。
 12月24日 犬吠埼灯台クリスマスイブ特別公開日に市内サウンド・エンジニア父子に霧笛の録音を依頼する

2008
 3月6日 代表幹事:NHK千葉放送局にて霧笛について話す。自作ペーパー・クラフトなど好評
 3月30日 "Last Siren" を明日にひかえてイベント "さよなら霧笛 ありがとう霧笛"を開催
 3月31日 犬吠埼霧信号所閉所
11月 1 日 霧笛のCD販売開始

2009
 6月~9月 東工大・千葉工大チームによる霧笛舎の学術調査が実施される。

2010
 5月 9 日 犬吠埼霧笛100年記念公演(犬吠埼灯台霧笛舎会場):
       一人芝居『霧笛』-共生の彼方(レイ・ブラッドベリ作)
 5月 9 日 犬吠埼霧笛100年記念シンポジウム:霧笛舎の調査を終えて 東工大 藤岡教授他
 5月20日 犬吠埼灯台(灯塔・日時計)が国の登録有形文化財建造物となる。認証プレートが灯塔前に設置される。 
 7月 2 日 釧路霧笛保存会と霧笛のCDを相互交換
 8月11日 犬吠埼ブラントン会有志で銚子市長に「霧笛保存に関する陳情書」を提出し、9月正式に受理される

2011
 3月 8 日 銚子市議会で「犬吠埼霧信号所の修繕支援費」が可決される。(霧笛保存事業の実質的スタート)
 3月11日 東日本大震災(M9)発生。犬吠埼灯台に被害なし
 3月16日 釧路霧笛保存会主催 「霧笛復活祭」 (3/17-21)への参加を断念

2012
 2月/3月末 犬吠埼旧霧信号所の保存工事(防錆塗装)実施される。
 7月19日 新日鐵株式会社の広報誌"NIPPON STEEL MONTHLY "7月号が犬吠埼燈台霧笛舎の特集をする

2013
 2月23日 灯台資料館の大規模リニューアルに伴い初代レンズが旧霧笛舎の展示スペースに移動
 3月27日 犬吠埼灯台資料展示館の大規模リニューアル展示公開披露式

2014
 3月28日 当会の140周年記念事業のうち資料集の刊行と講座犬吠埼灯台の2つが文化庁の「平成26年度文化遺産を活かした地域活性化事業」に内定する
11月22日 当会単独事業として犬吠埼灯台140周年と霧笛104年をお祝いして漫画家萩尾望都先生講演会
       『霧笛』-永遠というものの悲しみ、生きることのはかなさ-
を開催
12月19日 旧犬吠埼霧信号所霧笛舎が登録文化財原簿に登録された旨官報で告示される

2015 
 2月3日 犬吠埼灯台旧霧信号所霧笛舎で登録文化財登録証及び登録プレートの伝達式が挙行される。
犬吠埼ブラントン会は銚子市長より長年の保存=活用活動について感謝状を授与される。式場のコーナーには、霧信号所廃止時から今日までの犬吠埼ブラントン会の諸活動を示す品々を展示。萩尾望都先生のお祝いのサイン入り複製原画『霧笛』3点、同じく1月末発売の少女漫画雑誌で萩尾望都先生が登場人物に「銚子は海に近く、魚がおいしいところ」と語らせている部分を展示した。

登録有形文化財のプレート
第12-0182号

小学館月刊flowers3月号ほか展示

萩尾望都先生の登録文化財お祝いの言葉の添えられたサイン付き複製原画『霧笛』3点


以下は、当日の代表幹事の祝辞

<祝辞>
 
 

犬吠埼ブラントン会を代表して一言お祝いの言葉を申し述べます。

このたび、犬吠埼灯台の灯塔及び日時計に続いて旧霧信号所霧笛舎が国の登録文化財原簿に登録され、本日ここに登録証の伝達式を迎えることができましたことは、ひとえに海上保安庁、銚子市並びに燈光会のお力ゆえと承知いたしております。

同時に、このことは廃止前から霧笛の保存をテーマとして活動してきた私たち犬吠埼ブラントン会とってもこの上ない喜びであり、また、たいへん名誉なことだと思っております。

振り返ってみますと、7年前の「廃止即撤去」も論理的にはあり得た曲面からはじまり、

学術調査が終了した時点ではある製鉄会社から「銚子でいらないなら九州・山口の近代化産業遺産群の世界遺産エントリーのためにもらい受けてもよい」という非公式なオファーなど流動的な場面もございました。なお、当会の折々の活動については、その一端を式場内に展示してございますので、ご覧いただければと存じます。

ところで、昨年は犬吠埼灯台140周年の年でもございました。当会は、その関連事業として、また登録有形文化財内定を祝し、漫画家萩尾望都先生による講演会『霧笛』-永遠というものの悲しみ、生きることのはかなさ-を開催致しました。その時に今日の日のこともあろうかと存じ、霧笛の複製原画3枚に先生からお祝いのサインをいただいておきました。それらもこの式場に展示してございます。

また、萩尾望都先生は先月末に発売された漫画雑誌で登場人物(花見ウメコ)に「銚子のまちは海岸が近く、お魚のおいしいところ」と語らせています。もしかしたら11月の講演会のご縁かも知れません。講演会には遠くは鹿児島をはじめ全国各地から約300名のファンが銚子に来てくれました。このように文化の影響力には侮りがたいものがあります。犬吠埼ブラントン会は、これからも「灯台や霧笛の文化」を掘り起こし、犬吠埼から発信していきたいと考えております。

 もう一つ、ホットな話題がございます。今月中旬に銚子出身の有名な作曲家弦哲也先生が『犬吠埼―おれの故郷』という新曲を発表されるそうです。私たちがこれから目指すものは、まさにこの簡潔な曲名の中にあると思います。

つまり、私たち犬吠埼ブラントン会は、犬吠埼灯台や霧笛舎を、銚子で生まれ育った人たちが、グローバル化した世界のどこで働き、どこで生活していても、「銚子はおれの故郷だ」と胸を張って言い切れる、またそのことを人々に思い起こさせる、そんな心の拠りどころにしていきたいと考えております。

 何はともあれ、オール鉄製の建物がこの厳しい自然条件の中で105年もの間黙々と仕事をし、2度の大震災、戦争等々の試練をくぐり抜けて現存しているのは、一にも二にも日々手入れを欠かさなかった多くの灯台職員の皆様の努力のおかげだと思います。これからはもっともっと手がかかることでしょう。今日この日、私たち市民は、関係諸機関と共に地域全体でこの点をシッカリと認識し、この貴重な文化財を上手に活用しながら後世に伝え残すという使命を友として、前に進む決意を新たにしようではありませんか。

  

2015年2月3日

                      犬吠埼ブラントン会 

代表幹事 仲田博史